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AIが構造化ファイルを項目ごとに編集する仕組み
最終更新 September 9, 2026 · 約8分で読めます
ひとことで:AIがその場で編集できる五種類の構造化ファイル、それぞれで触れる範囲、そしてファイルを丸ごと書き直すのではなく項目ごとに直す理由を説明します。
なぜこの仕組みが必要なのか
『墨潮 ―ぼくちょう―』の「メモ」フォルダーには「物語の骨組み.beats」があります。三幕、十四のビート。その第二幕の中ほどに、沈硯が裴照も同じ『潮汐志』を写していたと気づく一拍を足してほしい、とAIに頼むとします。
AIはそのボードを読めます。ただし読んでいるのは生のファイルではありません。要約です。幕、各ビートの見出しとメモ、どのカードがどのファイルを指しているか。座標や並び順のキー、色は入っていません。入れれば、本当に必要な中身を押し出してしまうからです。
要約は情報が落ちています。ですからAIに「このファイルの新しい中身はこれです」という答え方を許すと、見せられていなかったものが黙って消えます。並び順のキーが落ちればカードの順番が崩れます。印字されていなかったファイルカードが落ちれば、そこに紐づけた章がボードから消えます。エラーはどこにも出ません。
4.0はこの経路を差し替えました。AIはファイルを返しません。送るのは変更ひとつにつきひとつの、名前のついた操作です。「第二幕、七番目のビートの後ろに、この見出しでビートを追加する」。触れていない場所は1バイトも変わりません。
五種類のファイルと、AIが触れる範囲
| ファイル | AIができること | あえて開けていないところ |
|---|---|---|
.script 脚本 |
シーンの追加、シーン見出しの変更、シーンの削除。シーンの中の要素(台詞、ト書き、トランジション、ショットなど)の追加・変更・削除 | 台湾式とハリウッド式のフォーマット設定 |
.beats ビートボード |
幕の追加・変更・削除。ビートの追加・変更・削除・移動 | あなたが紐づけた章カードと脚本カード。 幕を削除しても中のビートは未分類になるだけで消えません。ビートを削除してもカードはその場に残ります |
.map 関係マップ |
ノードの追加・変更・移動・削除。関係線の追加・変更・削除。グループの追加・変更・削除。マップのタイトル変更 | グループの枠(メンバーから計算されるもの)。ノードのデータを直す道具は位置を動かしません。移動は別の道具です |
.geomap 世界地図 |
地点の追加・変更、文字ラベルの追加・変更、川を引く、境界を引く、地形と植生を塗る、地点やラベルを消す、地図のタイトル変更 | キャンバスの大きさと座標系。扱うのはマス目で、ピクセルではありません |
.timeline 年表 |
出来事の追加・変更・削除。暦の設定 | あなたが手で紐づけた元(メモや章)。暦を設定する道具は出来事に一切触れません |
「年表はAIから見て読み取り専用」と書かれた古いメモを読んだことがあるかもしれません。あの記述はもう古いものです。年表はいま書き込めます。
メモ用の道具もあります。こちらは本にメモが一つでもある、またはAIが最初の一件をつくった時点で使えるようになります。メモを新しくつくること自体は、はじめから常にできます。
ファイルの丸ごと書き込みは拒否されます
この五種類に対して、AIの一般的な書き込み系の道具は「非推奨」ではなく拒否です。上書き、部分置換、削除。ライティングスタジオではこの五つの拡張子に対して三つとも通しません。項目単位の道具しか道がありません。ですから「AIが関係マップを上書きしてしまった」は起こりません。その動作自体が存在しないからです。
例外はひとつ、新規作成です。AIは空の.beats、.timeline、.map、.geomap、.scriptを開けます。エクスプローラーでフォルダーを右クリックして「ビートボードを追加」を選んだときにできるものと同じです。そのうえで項目単位の道具で中身を入れていきます。だから「『墨潮 ―ぼくちょう―』の関係マップをつくって、八人を並べて」という頼み方が通ります。
この最初の一歩は確認を通りません。空のファイルはそのままファイルツリーに現れます。確認待ちになるのは、あとから入る中身のほうです。いらなければ、その空ファイルをごみ箱へ入れてください。
原稿(.md)は逆の作り方です。AIは段落ごと書き直し、あなたは左右に並べた画面で受け入れるかを決めます。あれは原稿のレビューで、このページの話とは別物です——違いはこちらにまとめてあります。
いくつもまとめて頼む:バッチ
「幕を一つ足して、そこにビートを三つ入れて」を一件ずつ送ると、四往復です。往復のたびに待ち時間が生まれます。そこでどの種類にも、複数の操作を一度の呼び出しに詰めるバッチの道具があります。
見え方が変わるので、二点だけ知っておくと楽です。
バッチの中の二つの約束
後ろの操作は、前の操作がつくったものを指せます。だから「幕を開けて中身を入れる」が一度の呼び出しで終わります。
- 全部か、何もなし。 バッチの中の一つでも失敗すれば、どれも適用されません。「幕はできたのにビートは二つだけ」という半端な状態にはなりません。失敗するとAIには「このバッチは一件も入っていない」と伝わり、エラーを手がかりに書き直します。
- 採用の単位は呼び出しです。 一つのバッチは画面上に複数の印を残しますが、それは同じ呼び出しのものです。どれか一つで採用を押せば、そのバッチ全体が入ります。ピルの数字も呼び出しを数えるので、バッチは1件です。
- バッチには必ず一行の説明が付きます。 それはあなたに向けて書かれた文で、確認のカードに出てきます。
別々に判断したいときは、AIに「一度に一か所だけ直して」と伝えてください。呼び出しを分けて送ってきます。
編集したあとに起きること
一件でも五十件でも、結果がそのままファイルに書かれることはありません。まず確認待ちの提案になります。追加されるものは入るべき場所に生え、変更・削除されるものはいま置かれているカードや行、ノードの上に印が付き、その横に採用と見送るが並びます。
その先はAIの構造変更をその場で確認するにまとめました。
先に断っておく二点
- AIが自分から動きだすことはありません。 裏側でビートボードを整えたり年表を埋めたりする処理はありません。動くのはAI チャットであなたが頼んだときだけで、そのあともあなたの採用を待ちます。
- 「できません」と返ってくることがあります。 ほとんどは故障ではなく、その対話にまだその種類の道具が入っていないだけです。理由と対処はAIが構造を編集できるとき、できないときにあります。
関連
- Docs:AIの構造変更をその場で確認する
- Docs:AIが構造を編集できるとき、できないとき
- Docs:AIの提案をレビューする
- Docs:ビートボードとは何か、いつ使うか
- Docs:年表(.timeline)とは
- Docs:関係マップ:人物のつながりを描く
- Docs:世界地図ファイル(.geomap)とは
- Docs:AIの道具と差分の流れ
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