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関係マップ:人物のつながりを描く

最終更新 September 10, 2026 · 約15分で読めます

この記事では、作品に出てくる人物と勢力、そのあいだの入り組んだつながりを1枚の図にまとめる「関係マップ」の使いかたを説明します。図は人物のファイルとそのままつながります。

『墨潮 ―ぼくちょう―』の人物関係図をエディターで開いたところ。八人が佑安書房・緝字司・翰林院・潮幇の四グループに分かれ、中央に大きな沈硯、線には関係が書かれ、キャンバス左端に縦のツールバー

何が解決するのか

人物が数人を超えたあたりから、頭のなかだけでは持ちきれなくなります。誰が誰の師なのか、誰と誰が親の代からの遺恨を抱えているのか、表向きは敵でも実は同じ側にいるのは誰か。こうした情報は人物ごとのファイルに散らばっていて、そのあいだの網だけは記憶のほかに置き場所がありません。

関係マップは、その網を描きます。人物ひとりがノード、関係ひとつが線、同じ側の人はグループで囲みます。改稿の途中で裴照と沈硯のあいだに何があったのか思い出せなくなったら、マップを開けば一目で戻ってこられます。

関係マップは、それ自体がひとつのファイルです(拡張子は.map)。作品全体の総図を1枚描いてもいいですし、ある支線やある一族だけを別の1枚にしてもかまいません。どのプランでも使えます。

はじめの1枚を作る

ファイルツリーの空いているところ(またはフォルダーの上)で右クリックします。メニューの第一階層にあるのは原稿・脚本・資料・フォルダーの四つだけで、関係マップは「そのほか」の中です。開けば先頭が「新規関係マップ」。.mapファイルができて、そのまま白紙のキャンバスが開きます。

ファイルツリーで右クリック

第一階層

  • 新規原稿
  • 新規脚本
  • 新規資料
  • 新規フォルダー
  • そのほか——押すまでは閉じています

「そのほか」を開くと

  • 新規関係マップ——先頭の項目
  • 新規地図
  • 新規年表
  • ビートボードを追加
  • ファイルをアップロード

「そのほか」は横に飛び出すサブメニューではなくその場で開きます。だからスマートフォン(このメニューは下から出るシート)でも同じ二段階です。

キャンバスにはツールバーがあります。左端の中央に縦の帯が浮いていて、上から順にキャンバスを移動、選択、テキストボックス、続いて拡大/現在の倍率/縮小/全体を表示、最後に元に戻すとやり直すが並びます。右上にはもうひとつまとまりがあって、そこが書き出しです。スマートフォンでは帯のいちばん上に**+**が増えます。タッチには右クリックがないからです。

ツールバーのほかに、右クリックとドラッグとダブルクリックにもそれぞれの操作があります。ものを作るのはほぼ右クリック、見た目を変えるのはダブルクリック、線をつなぐのはドラッグです。ひとつずつ見ていきます。

ホワイトボードとしての操作——範囲選択、ガイド線、元に戻す・やり直す、コピーと貼り付け、スマホの手つき——は関係マップはホワイトボードでもあるにまとめてあります。

人物のノードを置く3つの方法(整理のしかたは人それぞれ)

人物の整理のしかたは人によって違います。全員を1つのファイルに書く人、1人1ファイルにする人、フォルダーで陣営ごとに分ける人。関係マップは3つとも受けます。

方法1:手で足す(人物のファイルがまだなくても使えます)
キャンバスの空いているところで右クリックすると、メニューには5つ並びます。「ノードを追加」「カードを追加」「テキストを追加」「グループを追加」「画像として書き出し」。「ノードを追加」を選ぶと新しいノードが出て、そのまま名前を打てます。まだ人物ファイルを書いていない、考えている段階に向いています。(カードとテキストボックスはホワイトボードの要素です。上の記事をご覧ください。)

方法2:人物のファイルを1つドラッグする(1人1ファイルの人)
ファイルツリーから人物のファイルをキャンバスに直接ドラッグします。Slimaがノードを作り、ファイル名をそのまま名前にします。そして名前が同じであること自体が、そのノードと人物ファイルのつながりです。

方法3:フォルダーごとドラッグする(フォルダーで陣営を分けている人)
人物のファイルをフォルダーに分けているなら(たとえば「佑安書房」というフォルダー)、フォルダーごとキャンバスにドラッグします。Slimaがフォルダー名のグループを作り、中の人物ファイルを全部ノードにして、そのグループの中にきれいに並べます。一度で済みます。

人物のファイルを複数まとめて選んで、いっしょにドラッグすることもできます。格子状に整列します。

線:人物どうしの関係を書き込む

ノードが揃ったら、つなぎます。やりかたは2つです。

アンカーから線を引く。 ノードにカーソルを合わせると、下側に小さな点が出ます。これが線をつなぐアンカーです。この点を押したまま別のノードまで引いて離すと、線ができます。

ファイルをノードの上に落とす。 ファイルツリーから顧遂のファイルを、キャンバス上の沈硯のノードに直接ドラッグして離します。Slimaが顧遂のノードを作り、沈硯まで線を自動で引きます。人物ファイルを読みながら関係を組み立てるときに向いています。

線の意味を書く

線をダブルクリックすると、関係の編集が開きます。おもしろいのは、関係をひとつの文として穴埋めさせるところです。

顧遂 は 沈硯 の「____」

空欄をクリックして、関係を打ちます。「師匠」「宿敵」「同盟」。これで線のひとつひとつが意味として読めるようになります。ただの説明のない一本ではなくなります。

同じ画面で、こんなこともできます。

  • 色を変える — 関係の種類を分けます。敵対は赤、同盟は青、というふうに。
  • 太さを変える — 細・中・太の3段階で、つながりの強さや重さを表します。
  • ↔ 向きを反転 — 「AはBの」を「BはAの」に入れ替えます。
  • ➕ 逆向きを追加 — 反対向きの2本目を作ります。1組の人物のあいだに独立した線を2本引いて、それぞれの見かたを書けます。「顧遂は沈硯の『師匠』」であり、同時に「沈硯は顧遂の『ただひとりの継ぎ手』」というふうに。どちらの視点もはっきり言えます。

グループ:人物を陣営で囲む

人物が派閥や一族や陣営に分かれてきたら、グループで囲みます。境目が一目で見えるようになります。『墨潮』のマップも、そうして佑安書房・緝字司・翰林院・潮幇の4つに分かれています。

グループの作りかたは4つ。

  1. 空いているところで右クリック →「グループを追加」で空の枠を作り、あとからノードを入れます。
  2. ノードを右クリック →「グループを作成」で、その人物を起点にグループを始めます。
  3. 「選択」ツールに切り替え(またはV)、空いているところから四角をドラッグして入れたいノードを囲み(Shiftを押しながらなら追加選択)、右クリック →「選択範囲からグループを作成」。Ctrl+Gでも同じです。1つしか囲めていないときは、先に2つ以上選ぶよう案内が出ます。
  4. 前に書いたとおり、フォルダーごとキャンバスにドラッグすると、その場でグループができます。

人物をグループに入れる: ノードをつかんで、グループの枠の中にドラッグします。枠の範囲に入ると、枠が緑色に変わって「ここで離せば入ります」と教えてくれます。離すとその人物はグループの一員になり、あとでグループを動かすといっしょに動きます。

人物をグループから出す: グループの中のノードにカーソルを合わせると、右上に赤い×が出ます。押すと、その人物はグループを離れて枠の外に移ります。

「緝字司」のグループ枠の拡大。裴照のノードにポインタを重ねると、右上に赤い × が出ます。これがノードを図から外すボタンです

そのほかのグループ操作:

  • グループをダブルクリックすると小さなパネルが開き、名前と色を変えられます。パネルの名前を押すと入力欄になり、Enterで確定、Escで取り消しです。背景も同じ系統の淡い色になるので、陣営がすぐ見分けられます。
  • グループは入れ子にできます。緝字司の下に2つの派を置く、といった形です。
  • グループの枠はメンバーの位置から計算されます。中の人物を包むように自動で大きさが変わるので、枠を手で引っぱる必要はありません。
  • グループを削除するときは、「グループだけ削除」(中の人物と線は残す)か「すべて削除」(人物も線もまとめて消す)かを聞かれます。

大きさと色で主従を出す

ノードをダブルクリックすると、編集の小窓が開きます。ここで決められるのは、

  • 大きさ:小・中・大の3つ。沈硯は大、顧遂と林晏舟は中、阿棠は小。大きさそのものが視覚の階層になって、中心にいる人物が浮き上がります。
  • 色:9色の色見本から枠の色を選びます。塗りは自動で淡い色になります。

沈硯のノードをダブルクリックすると出るノードパネル。上の行は「名前:」と、すでに選択された入力欄とチェックのボタン。下の行は小・中・大の三つのサイズボタン(いまは大)と、九色のスウォッチ

色見本は無限に選べるようにはせず、9色に絞ってあります。素早く分けるための道具であって、色選びに沈むためのものではないからです。

ノードの名前がそのままリンクです

設定するものは何もありません。リンクとは名前のことです。 キャンバス上の文字——ノードの名前、カード、テキストボックス——が作品のどれかのファイル名と一致すれば、それがそのファイルへのリンクです。ノードに「沈硯」とあって、ファイルツリーに登場人物/沈硯.mdがあれば、その2つはつながっています。

  • Ctrl/⌘を押しながらノードを押すと、そのファイルが開きます。
  • ノードを右クリックしても「ファイルを開く」があります。
  • ノードを別の名前に変えるとリンクは切れます。 戻せばまたつながります。同じ事実の裏表なので、別に「解除」する操作は要りません。

ファイルツリーからドラッグして置いたとき、ノードの名前はもともとファイル名と同じなので、リンクは自然に成立します。だから関係マップはただの絵ではなく、人物の中身への入り口になります。

4.0より前に作った古い.mapファイルには、ノードにファイルIDの欄が残っています。右クリックの「ファイルのリンクを解除」が消すのはその古い欄です。名前の一致から生まれるリンクには効きません。そちらを切るには名前を変えてください。

動かす、拡大する、片づける

  • 人物を動かす:ノードをドラッグします。
  • まとめて動かす:「選択」ツール(V)に切り替え、空いているところから四角をドラッグして動かしたいノードを囲みます(Shiftを押しながらなら追加選択)。囲んだあとはどれか1つをドラッグすれば全部が一緒に動き、間隔は変わりません。
  • 図全体を動かす:空いているところを押したままドラッグします。マウスの中ボタンでのドラッグ、Spaceを押しながらのドラッグも同じです。
  • 拡大・縮小:マウスのホイール、またはツールバーの拡大・縮小で、25%から200%まで。真ん中の倍率を押すと100%に戻り、「全体を表示」でマップ全体がウィンドウに収まります。
  • 陣営ごと動かす:グループの枠をドラッグすると、グループと中の人物がいっしょに動きます。

Ctrl/⌘を押しながらノードを押すのは複数選択ではありません。そのノードの名前がファイル名と一致していれば、そのファイルが開きます。ファイルツリーからドラッグして置いたノードはすべてこれに当たるので、複数選択は上の範囲選択を使ってください。名前に対応するファイルがないノードでだけ、Ctrl+クリックが追加選択になります。

拡大率と位置はファイルと一緒に保存されます。次に開いたとき、離れたときの見えかたのまま戻ってきます。

書き出し:PNG、SVG、元ファイル

キャンバスの右上にあるダウンロードのアイコンを押すとメニューが開き、3つの形式が選べます。

  • PNGで書き出し——ラスター画像で解像度は2倍。資料や持ち込みの手紙に貼るとき。
  • SVG(ベクター)で書き出し——どれだけ大きくしてもぼやけず、描画ソフトで手直しできます。
  • .mapソースを書き出し——マップそのもの。Slimaに戻せばそのまま開きます。

書き出されるのはいつもマップ全体で、いま見えている範囲ではありません。スマートフォンには右上のまとまりがないので、キャンバスを長押し(または帯の**+**)→「画像として書き出し」でPNGを保存します。パソコンでは空いているところの右クリックにも同じ項目があります。

くわしい説明——公開共有したときに相手に見えるものも含めて——は関係マップを書き出す・共有するにあります。

AIとコメント

AIもこのマップを編集できます。.mapは、SlimaがAIにフィールド単位で編集させるファイル型のひとつです。12本のmap_*の操作が、ノード・関係線・グループの追加、変更、移動、削除を受け持ちます。AIが読む要約には各ノードの座標が入っているので、「沈硯の右に置く」と言えます。ただし位置はレイアウトではなく内容です——ノードを動かすことはそれ自体が独立した変更で、グループの枠は常にメンバーから計算されるため、AIが枠の座標を渡すことはできません。変更はすべてあなたの前に届き、採用するか見送るかを決めます。うなずくまでマップは変わりません。AIの変更を審査するをご覧ください。

コメントは図の上のものに結び付けられます。 ノード、関係線、グループを右クリックして「コメントを追加」を選ぶと、コメントはその対象に付き、そばに小さな印が出ます。ファイル全体へのコメントとは別で、こちらは「この人物」「この関係」を指します。

書く人へのメモ

  • マップは原稿や人物ファイルの中身を書き換えることはありません。描かれるのはあなたが自分で並べた図で、AIの変更もマップの中だけにとどまります。人物ファイルに書き戻すことはありません。
  • .mapは原稿の文字数には入りません。ノードをいくつ置いても文字数の目標が水増しされることはありません。
  • 初日から完成させる必要はありません。主な数人と中心の関係だけつないでおいて、話が伸びるのに合わせて足していきます。
  • 1つの作品に何枚でも置けます。1枚に詰め込むより、支線ごと、時期ごとに分けたほうが読めます。
  • ファイルの中身が読めなくなった場合、Slimaはそれを伝えたうえで上書きを拒否します。バージョン履歴から復元できます。

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