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年表(.timeline)とは
最終更新 September 9, 2026 · 約6分で読めます
ひとことで:年表というファイルが何を解決するのか、ビートボードや「見出し」パネルとどう役割を分けるのかを説明します。

物語の時間と、章の順番は別物です
章の順番は、読者が出会う順番です。物語の時間は、実際に起きた順番です。回想を書いた瞬間、あるいは二本の筋を並走させた瞬間に、この二つはずれます。そしてファイルツリーが並べられるのは前者だけです。
『墨潮 ―ぼくちょう―』はまさにそういう作品です。主線は承文一〇七年の三の月、沈硯が佑安書房で『潮汐志』を写している場面です。しかし物語の中でいちばん古い出来事は、その百十年前、旧都瀝城が海に沈んだ日です。ファイルツリーを眺めても、その二つがどれだけ離れているのかは分かりません。ツリーが並べているのは章であって、年ではないからです。
年表は、そのために用意されたファイルです。エクスプローラーでフォルダーを右クリックして「新規年表」を選ぶと、.timelineファイルができます。原稿や脚本と同じようにバージョン履歴に入り、同じように復元できます。
年表の中身
出来事。 タイトル、時間、いくつかのラベル。これで一件の出来事は全部です。出来事はこのファイルの中だけに存在します。メモや章の複製ではないので、「この年から港であの歌が流れはじめた」のように、対応する章がない事柄にも置き場所があります。
時間の書き方は三つ。 時間なし、自由入力、暦の日付。同じ年表の中で混ぜられます。『墨潮』の16件のうち15件は承文暦の日付に置かれていて、冒頭の「墨潮の災い:旧都瀝城、海に沈む」だけが自由入力の「承文前三年」です。その時代にはまだ暦そのものがなかったからです。
ラベルは、年表の上ではレーンになります。 『墨潮』が使っているのは主線(9件)と過去(7件)の二本だけです。横に並べれば、同じ時点でそれぞれの筋が何をしているのかが一目で分かります。色を指定していないラベルには、決まった色見本から順番に色が割り当てられます。
表示は二種類。 「年表」は縦に流れるレーン表示で、いつでも使えます。「カレンダー」は暦を有効にしてから現れるもので、あなたが決めた月と週の長さでマスを組みます。西暦のマスではありません。
ビートボード・見出し・関係マップとの役割分担
| 知りたいこと | 開くもの |
|---|---|
| これはいつ起きた?そのとき別の筋は何をしていた? | 年表 .timeline |
| この物語の骨組みは?この章は何幕目? | ビートボード .beats |
| この原稿の中の見出しは? | アクティビティバーの「見出し」パネル |
| 誰と誰がどういう関係? | 関係マップ .map |
| どこで起きた? | 地図 .geomap |
いちばん混同されやすいのは年表とビートボードです。ビートボードが扱うのは読む順番です。1列が1幕、カードは章かビートで、読者が何を先に読むかをそこで決めます。年表が扱うのは物語の時間です。回想とは、この二つが一致しなくなる場所そのものです。だから両方持つ意味があります。
AIが編集できます
「年表はAIから見て読み取り専用」と書かれた古いメモを読んだことがあるかもしれません。あの記述はもう古いものです。
いまのAIには専用の道具が五つあります。出来事を追加する、直す、削除する、暦を設定する、そしてそれらをまとめて行うバッチです。動くのはAI チャットであなたが頼んだときだけで、裏側で年表を勝手に整理することはありません。
変更はすべて先に見せられます。年表の上に破線のカードが現れ、そこに「採用」と「見送り」が付きます。画面の隅には保留中の件数を示すピルが浮かび、まとめて採用もできます。採用するまでファイルは1バイトも変わっていません。その時点で読み込めば、返ってくるのは古い内容です。カレンダー表示には採用ボタンを載せるカードがないので、その表示ではこのピルが唯一の採用口になります。
AIにできないことが二つあり、これは意図した制限です。
- AIが追加する出来事は、必ず独立した出来事です。 メモや章の内部IDは見えません。当てずっぽうのIDを送れば、存在しないメモを指す線が年表に生えてしまいます。
- あなたが手で紐づけた元は、AIが時間を直しても外れません。 そのタイトルは元のファイルのものであって年表のものではないので、名前の変更もAIには開放されていません。
暦を設定する道具は出来事に一切触れません。「順番だけで並べる」に切り替えても各出来事の日付はそのまま残り、戻せば元どおりになります。
文字数には入りません
年表は原稿ではなく設計のためのデータです。文字数は常に0で、1日の文字数にも連続記録にも入りません。一晩かけて年表を組んでも、執筆カレンダーのその日は空欄のままです。これは意図した仕様です。骨組みで原稿量を膨らませてしまえば、自分の進み具合を測る数字が意味を失います。
スマートフォンでも編集できます
年表はスマートフォンでも編集できます。出来事をタップするとボトムシートで開き、暦をつくるウィザードも同じようにボトムシートで開きます。スマートフォンで閲覧のみになる構造化ファイルは地図(.geomap)で、年表はそれには当たりません。
関連
- Docs:年表をつくる・暦を決める
- Docs:出来事・時間・レーン
- Docs:関係マップ:人物のつながりを描く
- Docs:AIの道具と差分の流れ
- Docs:一貫性チェック:人物・場所・時間・論理
- Docs:ファイルツリー:既定のフォルダーと整理のしかた
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